天津万科新梅江柏翠園1期

天津万科新梅江柏翠園1期

バラエティ豊かな広場と季節感のある緑豊かなパスが繋ぐ庭園居住空間の創造

計画地は天津市中心部から約10㎞の離れた大規模開発エリアに属し、周辺は住宅・商業施設・学校などの施設が一体的に開発されつつある住宅地である。本住宅地は川を挟んでほぼ同面積の1期と2期に分かれ、全体敷地面積は6.2haである。そこに、26棟の高層集合住宅(793戸)と販売センターを建築し、約2000人のための住空間を新たに創造する計画である。本作品は、その1期(約3.3ha)の住空間のランドスケープデザインである。 デザインのテーマは、点在する13の住棟と販売センターをバラエティ豊かな大中小の広場空間と季節感のある緑豊かなパスでつなぎ、居住者の状況によって「使いこなし」のできる規模や趣の異なる多様なクオリティの高い庭園居住空間を創造することであった。

 

河川公園に面している利点を生かしたエントランス空間の形成

ゲーティッドコミュニティのため、計画地周囲にはフェンスを設置する必要があった。しかし、河川空間に面するポテンシャルを活かすために、中国政府との調整により、河川空間からアプローチするエントランスを設置し、河川空間と一体となった花の咲く樹木等を中心に植栽し、季節を感じるエントランス広場を計画した。また、販売センター前の広場を来訪者の購買意欲を高めるため、格調高く、水の動きを見せる楕円形の水盤を計画した。

 

新たに住まう居住者がコミュニティを形成しやすい選択性の高い多様な広場空間の創造

全住棟で共有できる広場として、計画地の中央部に子供の遊び場を含む約3000㎡の楕円形の芝生広場、北部に花の季節に眺めて美しい水盤、また、2~3棟で共有できる広場にベンチやパーゴラを設置し、各住棟で共有できる小さなコミュニケーションスペースを住棟エントランス付近に設置した。

 

高低差の無いフラットな地盤を変化のあるランドスケープへと展開

中国における大規模な集合住宅地の開発の大半は地下駐車場を基本としているため、ランドスケープを構成する地盤の変化を操作するには常に荷重条件を念頭に入れおく必要があった。そのため、大胆な盛土を行うことは不可であるため、小さな地盤レベルの変化を広場やパスに与えるとともに植栽やアートによって、変化に富んだシークエンスが連続する空間とした。

 

基本情報

名称:天津万科新梅江柏翠園
所在地:中華人民共和国天津市
敷地面積:3.3ha(1期)(1期+2期:6.2ha)
竣工:2016年6月
デザイナー:忽那裕樹、近藤秀樹、中谷丞、和久珠生