青島万科生態城  河川公園

青島万科生態城 河川公園

水鏡の堰堤(えんてい)風景

 

河川に設けられた段状の小さな堰を「堰堤」と言い、雨の少ない青島の伝統的な治水・利水技術のひとつである。その堰堤は人の営みと自然が織り成す、地域固有の美しい情景を描き出している。現在この地で、河川公園、文化・商業施設、集合住宅が一体となった総事業面積250haの大規模開発が進行中であり、約8.5haの河川公園をこの事業の核となるセントラルパークと位置づけ、開発のシンボルとして先行整備することになった。

 

近年、中国では公共用地を民間が整備することが多く、官民の枠を超えた統合的なデザインを求められている。ここでは、公共用地である河川敷地と隣接する民間企業による開発用地との一体的なランドスケープの展開が最大のポイントとなった。そこで、私たちは堰堤をモチーフとし、水の表情を活かした景観を創出するとともに、人々が水に親しみ楽しむことができる水辺空間を提案した。

 

更に、環境意識の高まりに応えるべく、水質浄化を目的としたエコロジカルデザインを採用。建築から河川までを水質改善の仕組みを持たせた階段状のカスケードでつなぎ、広い水面は人々の活動や自然現象を映し込む水鏡としている。夜間は既存樹や建築が間接照明に照らされ、水鏡のカスケードに映り込む。

 

また、遠方の山々を背景に河川公園を一望できる長さ60mの橋は、まち全体を眺めることができる視点場であると同時に、構造部材と欄干が一体となった、河川をまたぐオブジェのようなたたずまいとすることで、添景ともなっている。
現在、周辺施設の完成を待ちながらも、早くも公園には人々が訪れ、憩いのひとときを過ごしている。

基本情報

名称:青島万科生態城河川公園
所在地:中華人民共和国山東省青島市李滄区
敷地面積:85,000㎡
竣工:2011.6
用途:住宅販売センター・河川公園
デザイナー:忽那裕樹、角田直行(元社員)、對中剛大、 石原康宏